- いつから終活を始めるべき?
- 自分の財産を相続するには?
- 自分の葬儀やお墓はどうなるの?
終活について考えたことはありますか?予期せぬときに備えて、最期の準備を始めるのは大切です。終活を知らないまま最期を迎えると、残された家族が困り、遺産で争いが起きる可能性があります。
この記事は、終活のやることリストから終活の進め方のコツまで、終活に必要な全てを網羅しています。この記事を読むと、終活についての不安がなくなり計画的に終活を始められます。終活をスムーズにおこない、人生を豊かにして自分も家族も安心してすごしましょう。
終活とは
終活とは、人生の最期を見据えた準備活動であり、家族が困らないようにするための計画です。
終活を始めるのはいつから?
一般的には、60代の人や定年退職を迎えた人が、終活を始める適切なタイミングと言えます。しかし、個人の生活状況や価値観によって異なります。
生活状況の変化である、結婚や孫の誕生などを経た後も、終活を考えるきっかけになるでしょう。
身近な人の訃報や葬儀を経験すると、自分自身の最期について真剣に考えるようになり、終活の重要性を実感する人も多いようです。
終活は、自分の意思を家族や大切な人に伝え、安心して生活を送るための大切な準備活動です。人生の節目や身の周りの変化が終活を考えはじめる良い機会とされています。
終活やることリスト
終活でのやることをまとめました。スムーズな終活をおこなうために、以下をやり始めましょう。
- 持ち物の整理
- 財産の整理
- エンディングノートの作成
- 遺言書の作成
- 葬儀とお墓の事前準備
- デジタル資産の管理
持ち物の整理
終活での持ち物の整理は、自身の生活を快適にすると同時に、家族への負担を軽減します。
整理のポイントは、まずは不要品から処分します。家具や家電の大型ごみは自治体の指示にしたがって捨てましょう。
必要な物は置き場を決めて保管し、写真やアルバムはスマートフォンやパソコンなどへデジタル化するのが望ましいです。趣味のグッズやコレクションは大切な物だからこそ家族に残すか、売却や処分するかを見極めて整理しましょう。
持ち物の整理は、終活の中でも重要な作業のひとつです。部屋の整理は、自分の心地の良い空間を作り、残された家族への配慮にもなります。
財産の整理
終活での財産の整理は「誰に、いくら残す」のか明確にしましょう。具体的に、以下のような自分の持つ財産を把握してください。
- 銀行口座
- 証券口座の残高
- 不動産(家、土地)の評価額
- 加入している保険
ローンや負債の確認も大切です。負債の状況を整理して生前から家族としっかり話し合っておくと遺産相続のトラブルを未然に防げます。財産の整理は、エンディングノートや遺言の作成にも役立ちます。終活における財産の整理は、資産と負債の把握が大切です。
エンディングノートの作成
エンディングノートとは、自分の最期に関する大切な希望や指示について記したノートです。以下、主な記載内容です。
- 自分の葬儀、お墓、相続に関する希望
- 介護や医療の指示(延命治療の有無、病院の治療方針など)
- 財産や保険の状況
- 家族や友人への感謝のメッセージ
エンディングノートは遺言とは異なり法的効力はありませんが、自分の言葉で自由に書けます。作成には少し時間がかかるかもしれませんが、自分自身の想いを形にして家族への最後のメッセージとして残せます。
エンディングノートの存在と保管場所を家族や信頼できる人に伝えておき、遺族へ自分の意思や重要な情報を残しましょう。
遺言書の作成
遺言書は「誰に、どの遺産を相続するか」について意思表示するものです。エンディングノートに比べて強い法的効力をもちます。以下、遺言書の記載内容です。
- 署名
- 作成した日付
- 誰に何を相続するのか
- 財産目録
遺言書は必ず署名と押印が必要であり、作成した日付には年月日を明記してください。誰にどの遺産を相続するのか明確に記載しましょう。財産目録は、どのような財産がいくらあるのかが明確に分かる一覧表であり、遺言書に必要です。
遺言書の保管は法務局ででき、紛失や破損を防げます。以下、法務省からの引用です。
遺言書は,原本に加え,画像データとしても長期間適正に管理されます。(原本:遺言者死亡後50年間,画像データ:同150年間)
遺言書保管制度とは?
遺言書は財産分与や家族への最終的な意思を伝える法的文書ですが、無効な条件があるため、専門家の確認をオススメします。
葬儀とお墓の事前準備
葬儀とお墓の事前準備は、家族に負担をかけないためにも大切であり、予算を設定して計画を立てます。
葬儀は、自分の希望する葬儀プランを考え、費用を比較して葬儀社を決定しましょう。事前見積もりを取って、おおまかな予算計画を立ててください。
お墓は、自分が希望する場所やデザインで生前に建てられます。お墓は相続税が課せられないため家族の負担を軽減できます。注意点としては「墓地管理料」という墓地の維持費がかかります。地域によって異なりますが1,000〜1万5,000円くらいが相場です。
葬儀とお墓の意向を決めて、エンディングノートに残しておくと家族がスムーズに手続きを進められます。
デジタル資産の管理
デジタル資産の管理とは、スマートフォンやパソコンに保存されたデジタルデータの整理です。デジタル資産の管理は、今や終活において重要です。
持っているデジタル資産をリストアップし、情報の整理から始めましょう。
- 連絡先
- 写真や動画
- 各サービスのログイン情報(ネット銀行、ネットショッピングなど)
- アプリ(有料プランに加入しているものなど)
デジタル資産の情報を整理したら、エンディングノートに自分のデータをどのように扱ってほしいか指示を残しておきましょう。
デジタル資産の管理は複雑に感じるかもしれませんが、計画的に進めていけば家族が困らないように対策ができます。
終活をサポートするサービスや専門家
終活をサポートするサービスや専門家を活用すると終活がスムーズにおこなえます。どのように終活を進めるか迷ったときは、以下を利用してみましょう。
- 終活カウンセリング
- 弁護士・税理士・行政書士
- 葬儀社・セレモニープランナー
終活カウンセリング
終活カウンセリングとは、終活をスムーズに進めるために終活カウンセラーが手助けをします。
遺言の作成や財産整理、葬儀の計画など、終活の不明点や疑問に終活カウンセラーからのアドバイスを受けることが可能です。
遺言作成に詳しい弁護士・行政書士などの紹介と手配、役所や公共団体での手続きの付き添いサービスなどもあります。終活における不安があれば、終活カウンセリングの活用によって解消できます。
弁護士・税理士・行政書士
弁護士・税理士・行政書士は、終活のさまざまな面で大きな助けとなります。弁護士は法律に関わるサポートをする専門家です。遺言書の作成や遺産相続の問題解決、成年後見制度(※)の手続きなどをサポートし、遺言や相続に関わるトラブルを未然に防げます。
税理士は相続税の申告などの税金に関するサポートをする専門家です。資産の評価や節税対策のアドバイスにより、経済的負担を軽減できます。行政書士は書類作成のサポートをする専門家。遺言書の作成や遺言書の書き方サポートなど、相続手続きで必要な書類作成を正確におこなえます。
弁護士・税理士・行政書士はそれぞれの専門分野で、終活に重要なサポートをおこなってくれるため、相談してみましょう。
※ 成年後見制度とは、認知症などで判断能力が低下しても財産を守ってもらう制度です。
葬儀社・セレモニープランナー
葬儀社・セレモニープランナーは、終活における葬儀の事前準備の手助けとなります。
葬儀社は、最期を迎えたときに葬儀をおこなうだけでなく、事前に葬儀内容の確認もできます。葬儀社と事前相談をして、費用見積もりやサービス内容の確認をしましょう。事前契約を結べば、希望に沿った葬儀をおこなえます。
セレモニープランナーは、葬儀の計画や運営をサポート。遺体の安置から火葬、埋葬、法要までの一連の手続きをサポートします。前もって葬儀プランを立てれば、予期せぬ出費の回避と遺族の経済的負担の軽減が可能です。
終活における葬儀の事前準備では、葬儀社やセレモニープランナーが心強いサポートになります。
終活の進め方のコツ
終活は無理をせず、一つずつ確実に進めていきましょう。終活をスムーズに進めるコツは以下のとおりです。
- 無理せずゆっくりと進める
- 「終活やることリスト」を作成し、順に進める
- 家族と情報共有をする
無理せずゆっくりと進める
終活は自分の人生を振り返り、整理をおこなう大切な時間です。無理をせず、自分のペースでゆっくりと進めましょう。
終活はしっかりと計画を立て、1人でできることから進めていき、達成感を感じながら継続しましょう。体調や気持ちに配慮して必要に応じて休息も大切です。
終活にかかる時間は個人差があるため、他人と比較せず、自分に合った進め方を見つけましょう。
「終活やることリスト」を作成し、順に進める
終活を進める際には「終活やることリスト」を作成し順に進めていきます。はじめに簡単なところから手を付け、効率的に終活を進めましょう。
- 持ち物の整理:小さな不用品から始める
- 財産の整理:手元にある通帳口座から財産の把握を始める
- エンディングノートの作成:作成しやすい項目から始める
- 遺言書の作成:財産の把握を明確にしてからおこなう
- 葬儀とお墓の事前準備:自分の希望する葬儀やお墓を明確にする
- デジタル資産の管理:連絡先の整理から始める
「終活やることリスト」を作成すると、終活はスムーズに進行し達成感を感じながら取り組めます。
家族と情報共有をする
家族との情報共有は終活を進めるうえで非常に大切です。家族会議を定期的に行い、終活の計画を話し合いましょう。終活は、一緒にいる家族全員が同じ情報を持ち、お互いの意見を尊重しながら進めていけば安心してスムーズに行えます。
信頼できる家族には、エンディングノートや遺言書の存在と保管場所を伝えておきましょう。葬儀の希望やお墓の選択について家族の意見を聞くのも大切です。財産の詳細を話し合い、将来のお金の計画を家族全員で立てましょう。
必要に応じて専門家への相談は、家族で一緒に検討をしましょう。終活はひとりではなく、家族が支え合いながら円満に進めます。
まとめ
終活は、人生の最終段階に備える大切な活動です。以下の「終活のやることリスト」を把握し計画的に始めましょう。
- 持ち物の整理:不要品の処分
- 財産の整理:資産と負債の把握
- エンディングノートの作成:自分の最期に関する希望や指示について記載
- 遺言書の作成:誰にどの遺産を相続するのか明確に記載
- 葬儀とお墓の事前準備:葬儀とお墓の意向を明確化
- デジタル資産の管理:連絡先や各サービスのログイン情報などの整理
終活は、適切なタイミングで始めるのが重要であり、専門家やサービスの利用も効果的です。
終活を進める際には、終活のやることリストを作成してステップを踏んでおこない、家族との情報共有を心がけてください。無理なく終活を進め、安心した老後を迎えましょう。